モーションコントロールカメラとは、その名前の意味そのもので、コンピューターで制御されたカメラ。
その意味合いは、人間の手では決して出来ない同じカメラワークを何度でも繰り返し再現ができること。

モーションコントロールって使ったことないけど・・そんな方のために様々な使用事例を紹介したいと思います。

モーションコントロールを入れると「現場での時間がかかる・・」「コストがあがる・・」など、誤解されている方は多くいらっしゃいます。
しかしながら、モーションコントロールは使い方によって現場をスムーズに、またポスプロのコストを削減するツールであることがお分かりになるかと思います。

また、人間の手動によるオペレーションでは決して出来ない、演出効果や素材撮影など、作品のクオリティーに深く関わるツールでもあります。

こちらの使用事例を参考に、是非モーションコントロールの使用をご検討ください。

同じカメラワークを繰り返すことによる効果や意味合い。
同一人物の増殖や、ミニチュア合成、車などのパーツ素材撮影など、主に合成を目的とした標準的なモーションコントロールの撮影方法を紹介致します。

合成以外は用のないモーションコントロールと思われがちですが、実は違います。
人間の操作ではできないカメラワーク、例えば、一点を軸にしたカメラワークや、決められた尺の中でのカメラワーク、音のタイミングに合わせたりなど、合成を目的としないモーションコントロールに使用方法を紹介致します。

CG主流の今日。プリビズによるモーションコントロール。また、モーションコントロールを使用したCG合成。この2つは非常に密接した関係にあり、お互いに効果的なツールです。そんな使用例をご紹介致します。

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同一人物の多重合成(増殖)

同じ人物や被写体を同じカメラワークで繰り返し撮影することにより増殖することができます
同一人物同士の掛け合いや、映画などでは観衆や兵隊など、多くのキャスト、エキストラが必要な際にモーションコントロールを使用して、テイクごとに配置を変えたりすることで簡単に増殖ができます。
また、同じカメラワークをオフセット(位置をずらして)することで、美術などの増殖も可能です。
実際の人数や数を揃えることなく、結果的に同じ様な効果が得られるので、経費や撮影時間の削減にも繋がります。

スケーリング(ミニチュア、サイズ違いの合成)

縮尺違いのカメラワークを正確に再現して合成することが出来ます。マイロは実寸大のものに対するカメラパス(軌跡)をスケーリング(縮尺)することができるので、ミニチュアとの合成にも使用されます。
実寸サイズの人物をグリーンバックで撮影をして、その同じカメラワークをスケール違いで再現し、ミニチュアの中に立たせたりすることが可能です。
CGが全盛の今日において、敢えて実写のもつ空気感を出すために、ミニチュアを撮影することは良くある手法で、リアルサイズの美術セットが作れない時などにも利用できるため、経費の削減にも繋がります。

コマ撮り、コマ落とし撮影

モーションコントロールの原点とも言える撮影方法です。光量不足、フォーカス深度不足、マスク撮影の時など、絞り込むことにより、シャッタースピードを落とし光量を稼ぐ時など、カメラの撮影スピードに合わせてモーションの動きをゆっくり動かすことができます。モーションコントロール専用のソフトウェア/FLAIR制御であるため、確実な合成素材を撮影することが可能です。

異なる撮影スピード素材による合成

カメラスピードにモーションコントロールのスピードを合わせることが出来ます。例えば、30fpsのノーマル素材に対して、60fpsの倍の動きにしたり、90fps、120fpsなど、モーションコントロールの限界のスピードまで合成することが可能です(注意:再現できるコマ数はカメラワークによりよります)。
ハイスピードに限らず、コマ落としやコマ撮りとの合成も可能なので、ノーマルの人物のバックをコマ撮りした雲や車などの合成も可能です。

1カットモーション

ミュージックビデオなどの長い尺を1カットカメラワークでイメージ通りに作るのは非常に困難です。当然合成も難しくなります。モーションコントロールを使用することにより、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビにアウトロまで、コンピューターにタイミングを打ち込むことにより、イメージ通りの映像表現が可能です。

ロケ撮影 + スタジオ撮影

タレントのスケジュールの都合や、ロケ場所や季節の都合など、タレントと背景を同時に撮影が出来ないことがあります。そのような場合、モーションコントロールを使用することにより簡単に合成することができます。

大型のマイロでもロケ撮影は可能です。設置場所さえ適合していれば、どこにでも持ち込み、設置は可能です。
※ロケハン必須

海外マイロとの合成(日本)

海外、特にヨーロッパなどでは、マイロは1国に1台はある程、普及しているモーションコントロールです。
世界のマイロの仕様はほぼ同じであるため、海外のマイロで撮影したデータを日本のマイロに入れ込んで、海外の風景に日本でのスタジオ撮影のタレントなどを合成することも可能です。

ミミック機能

オプションのパンバーやハンドホイールを使用して、カメラマンやオペレターの手動のカメラワークを記憶して再現することが可能です。
映画やドラマの役者の演技に合わせたカメラワークや、動物など予測できない被写体への合成などに利用されます。

正確なカメラワーク

モーションコントロールは何も合成だけのためにある訳ではありません。コンピューターで制御する、即ち、人間のオペレーションでは不可能なカメラワークを可能とする撮影機材です。
直角に移動するカメラワーク、被写体のギリギリまで寄り込む動きなど、監督、カメラマンのイメージするカメラワークを忠実に、作りあげることが可能です。

音と合わせるカメラワーク

CM撮影などでは音に合わせなければならない場合があります。それが例え合成作品でなくとも、タイミングが合うまでカメラマンや特機部が何十テイクも重ねることは非常に重労働で非効率的でもあります。
タイムコードでの同期がかけられるため、事前に打ち込んだ同じタイミングで、常に同じカメラワークを繰り返します。監督は演技に集中でき、より完成度の高い作品となり得ることでしょう。

特殊レンズでの撮影

シュノーケルレンズなど、特殊なレンズを使用した撮影もモーションならではの機能です。接写撮影のカメラワークは手動では非常に困難ですが、モーションならば自在にイメージ通りの画を作ることが出来ます。


タイムラプス撮影

雲や街中など長時間をコマ撮りしたものをノーマル再生することで、短時間に時間の経過を見せるタイムラプス手法にカメラワークをつけることが可能です。

接写のカメラワークにフォーカスをモーションコントロール

接写撮影でのカメラワークは非常にシビアです。ましてやフォーカス送りとなると、フォーカスマンの負担は相当なものとなります。しかし、モーションコントロールを使用すればマクロレンズでのフォーカスワークも容易にこなすことが可能です。

円形カメラワーク

円形レールをもたないマイロでも円形のカメラワークを作ることが可能です。アームの振りと本体の動きを合わせることで正確な円形カメラワークを再現することが出来ます。
円形レールは決まった円弧しか描けないのに対して、マイロの場合はアームの振り幅により、現場で円弧の大きさを変えることが可能です。
また、水平方向のみならず、垂直方向への円弧も作ることができます。

※円弧カメラワークの再現角度は、半径の大きさによって決まります。要相談。

プリビズとモーションコントロール

マイロは3次元でカメラワークを認識するFLAIRソフトウェアで制御されているため、CGとの親和性に非常に優れており、プリビズで決めたカメラワークを再現することが可能です。
または、プリビズでイメージを固めた演出、カメラワークの撮影方法をモーションコントロールプリビズすることにより、現実的な撮影方法にて再提案することも可能です。

プリビズとモーションコントロール(応用編)

プリビズを駆使することによって、不思議な空間などを作ることも可能です。
天地逆転の世界や壁に人物を立たせたカメラワークなど…
3D空間のあらゆる接地面に対するカメラの相対位置をCG上で割り出して、カメラ位置を計算、そしてカメラワークを再現して合成致します。プリビズとの親和性に優れたマイロの成し得る技です。

カメラデータ

マッチムーブを必要とする撮影などで、空画を別テイク撮影することにより、人物やセットとのマーカー位置(かぶり)を気にすることなく、必要十分なターゲット撮影が可能となります。
マイロからカメラデータをCGソフトに出すことも可能です(要相談)

※データアウトやインポートに関しては技術的な注意が必要となりますので、ご利用の際は必ず確認頂きますようお願い申し上げます。

モーションコントロールプリビズ

プリビズの中でモーションコントロールシミュレーターを使用することにより、現時的なカメラワーク(スピードや加速、減速感)による撮影設計が可能です。
また、撮影現場に入る前にモーションコントロール自体にカメラワークを入れ込むことにもなるため、建て込み時のモーションコントロールの打ち込み時間の短縮にも繋がります。




モーションコントロールは使い方によって他にも色々な演出効果を産み出すことが可能なツールです。
このような使用例に限らず、みなさんのイメージを膨らまして、また新たな効果的な使用例を見つけてみはいかがでしょうか?